離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~

3. 爆ぜる想い

 離婚まで残り三日。美鈴も千博も別々の道を歩むための準備を始め、あれやこれやと忙しくしている。

 特にこの家を出て行く美鈴はやることが多くて、悲しみに浸る間もない。けれど、かえってそれがいい。千博と宮下のことで塞ぎ込まずに済む。

 さすがに、前向きな気持ちとまではいかないが、次に進むための心の整理はついてきていると思う。自覚してしまった千博ヘの愛は今もまだ消えていないが、それを悲しみの糧にはしていない。己を強くするための燃料に変えて、一歩ずつ新しい道へ進もうとしている。
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