離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~

3. 明かされる心

 休日の昼下がり。来客を知らせるインターホンの音が室内に響いた。待ち人来たりと、美鈴は意気揚々と応対に向かう。

 誰が来たのかはすでにわかっているが、念のためにとモニターで来訪者の姿を確認する。

「え……どうして」

 時間は約束通りなのに、肝心の来訪者が約束の相手とは違う。本来、そこに映っているのは洋子のはずなのに、モニターが映し出しているのはなぜか千博の姿だった。
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