離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
第五章 素のあなたと

1. ただ知りたい

 離婚前提の交際を始めてから三ヶ月。とうとう折り返し地点まできてしまった。

 季節が変わるほどの時間を費やしたというのに、美鈴はまだ心の整理をつけられないでいる。今の千博とどう接していけばいいのか未だにわからない。

 それもこれも千博が気まぐれに優しさを見せるせいだ。

 いっそのこと冷たい態度を貫いてくれたなら、さっさと千博への気持ちをなくして次へ進めただろうに、あの頃の千博が時々顔を出すから、心に迷いが生じて彼への想いを捨てきれなくなる。

 中途半端な状態はとても苦しく、美鈴は自然とため息をつく回数が増え、深く考え込むことが多くなっていた。
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