DEAR 2nd 〜Life〜
第21章 朧月夜に見た奇跡

第21章 朧月夜に見た奇跡






第21章 朧月夜に見た奇跡






────窓の外で吹く木枯らしが冷たくなった。





吐く息は白くなり、季節はいつの間にか冬を告げていた。






─────年末。





今年最後になる日。





……つまり大晦日。






「……ふぅー。

やぁぁっと終わったぁ……。」






─────ドサッ!





丸一日かけて部屋の大掃除を終え、ピカピカになった自分の部屋。





周りを見渡し、完璧に片付いた部屋に頷く。





……これだけ頑張れば大丈夫だ♪





うん、我ながら大満足っ♪







「なんか温かい物でも飲もうかな~……。」






─────トントントン……。






一息付こうとリビングに降り、ホットミルクティーをマグカップに注いでいると──…







─────♪♪…♪♪






「………ん?」






テーブルに置いてあったケータイが、イルミネーションと共に着信を知らせた。






「……うわわ、ちょっと待って~!!」






────♪♪…♪…♪






ポットで片手が塞がっている為、相手を確認する暇もなく、






─────ピッ!





通話ボタンを押して、とりあえず耳にケータイをかざすと







『───もっしもーし!!!!!♪♪




アヤヤ~♪




壱だよーっっ!!!!♪♪♪』






「───…いっちゃん!?!?」






電話を掛けてきた相手は、いつになくテンションが高いいっちゃんからだった。






『えへへ~♪

いきなり電話してごめんね!!今大丈夫っ?』





「うん、大丈夫だよ~♪

どうしたの?」






『───あのねあのねっ!!!!




いきなりでごめんなんだけど、アヤヤ今日夜から空いてるっっ??』






「………え?



今日?……の夜……?」





『───うんっ!!!!




あのさっ、純って年明け早々に誕生日でしょ?




だから、オレとマリアとゴローちゃんとでお祝いするんだぁ♪




良かったらアヤヤもどうかなぁって思って……』







───…あ……!!!




そうだった……!





そういえば朝岡さん、元旦が誕生日だったんだ…!



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