DEAR 2nd 〜Life〜
第23章 新しい生活

第23章 新しい生活





第23章 新しい生活








─────ヒラヒラ……。





視界にまた、ピンクの花びらが情緒豊かに舞う。





高校を卒業してから、早い事にもう数週間が経った。






─────…4月。






春がやって来た。







「───彩、この荷物はどうするの?持っていくの?」





「───あっ、それは絶対持って行く!

お母さんちょうだい!!!!」





「……はいはい。」






────ドサッ!





これでもかと言うくらいの大量のダンボール箱が、トラックに再び積まれた。






「……全く、もう。



今日から一人暮らしするんだから、ちょっとはしっかりしなさいね。」






「……はいはい。」



「“はい”は一回!」



「………はーい。」




「……もうお母さん不安で不安でしょうがないわ。」






口を尖らせプーッと怒るあたしに、お母さんは深く溜め息を吐いた。





………失礼な。




あたしはムスッとしながら、再び荷物を黙々と運び始めた。






────…そう。




いよいよ大学生。





大学はここから離れたやっかいな場所にあり、


普通に通えば片道三時間はかかる。




それはさすがにキツイから、こうして“一人暮らし”をしようとしている所なんだけど───……。







「───まぁっ!!!!

朝岡さんったら、力持ちねぇ!さすが逞しいわぁ♪」





「───彩ママ~!!

オレの逞しーい筋肉も見てみて~っ!♪」





「───まぁ!

いっちゃんもさすが男の子ねぇ!すごいわぁー♪」




「───こら、壱!

遊んでないで手伝えよ!!」




「だってさゴローちゃん!オレも彩ママに筋肉見てもらいたいんだもーんっ♪」





「───…ただのもやしでしょ。」




「────もやし!?!?

おいマリア!何でオレそんなひ弱なんだよっ!!!」





「───本当の事でしょ。」





「キャームカつくー!!!!」







…………………。





───…そう。





もうさっきから、ずーっとこんな感じ。





“暇だから”




と、わざわざあたしの引っ越しを手伝いに来た紅メンバーにお母さんはデレッデレ。







………ったく。







「──ねぇ、もう早く出発しようよー!」






………はぁっ……。





盛り上がっている輪に向かってそう叫び、呆れたように溜め息をついた。



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