DEAR 2nd 〜Life〜
第32章 仲間と絆と友情と

第32章 仲間と絆と友情と




第32章 仲間と絆と友情と





────……





────…トントントン…






数分後…。




あたしはニヤけ顔を隠すようにキッチンに立っていた。






────コトコト…





鍋から美味しそうな音が聞こえて来たところで








「……うまそ♪」







────ギュッ…







「…っ、わっ!!!」






朝岡さんがいい匂いにつられてやって来て、あたしを背後から抱き締めた。







「……もう~!!!!



朝岡さんってば、また熱上がってきたんだから寝といてって言ったのに!」





「…やー…だって料理してる後ろ姿見てたらつい誘われて…」






「───!もう朝岡さんのバカ!!!変態!!!えっち!!!!」





「うん、ありがとう。

それは俺の為にあるような言葉やし。」





「~~もうっ…」






反論に困ったあたしを見て、朝岡さんはくすくすと楽しそうに笑ってる。





……でも。





冗談を言う元気はあっても、密着してる朝岡さんの身体はまだ熱いわけで……。







「───…熱。なかなか下がらないねぇ…」






38℃近い数字を示す体温計を、あたしは困ったように見つめた。







「寝てりゃすぐ治るよ。

…いただきます♪」






困ったあたしとは正反対に、朝岡さんは嬉しそうにあたしが作ったうどんを食べ始めた。





ちょっとでも食べてくれたらいいなーって、朝ご飯に作った温かいおうどん。




栄養とか、のど越し考えて、生姜たっぷり擦って、かまぼことネギ、卵でとじただけなんだけど……。






「……食べれる?」






おずおずと首を傾げて尋ねると







「うん、めっちゃうまい♪ありがとう。」






朝岡さんはやわらかい笑顔でそう答えてくれた。





良かったぁ…。






あたしも思わずにっこり笑い、自分の分に箸を付けた。







そんな二人を、温かい陽だまりが優しく照らす。







あなたにもう一度逢えて、




全て話せることが出来て、




告白して、キスまでして、




こうやって、今は笑い合いながら一緒に朝ご飯を囲んでる。






どれも昨日のあたしには想像出来なかった事ばっかりで





あの時叶わなかった遠い夢が、違う形でこうして実現している。






……まだ全然信じられないけど。






きっと





今まで生きてて、一番穏やかな一日の始まりだ。



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