DEAR 2nd 〜Life〜
第34章 輝いた蝶の行き先

第34章 輝いた蝶の行き先






第34章 輝いた蝶の行き先









────…ペラ…










・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:






★ クリスマス特集 ★






・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:








「……」





雑誌の見開き一面はクリスマス一色で、カレンダーは12月。





相変わらずクラス全員からは無視されてるあたしだけど…




マリアから痛い目と辱しめを受けたマキの勢力は以前より弱まっていた。






───そんな中…





あたしはいつもと同じように一人雑誌を広げ、見開き1ページ目からダメージを食らっていた。






「クリスマス、かぁ…」




普通なら胸踊らせて穴が開くほど見つめるであろう特集に、あたしは見る度に眉をひそめるばかり。







────…カサカサ…






あたしはバッグから手帳を取り出し、







「───厳しい…かなぁ…やっぱ…」






ビッシリ詰まっているスケジュールに泣きそうになった。






───…それはつい数日前の事。















『───今月のナンバー2は愛美!』












『…え?』







何とあたしは今期。





あのナンバー2の萌を凌いでグラフ表を一気に駆け上がり、自分が萌の座に君臨してしまったのだ。






『───うぅっそぉ!!

萌がナンバー3に転落!?!!』





『…い、いやきっと何かの間違いだよ…萌。あたしが萌に勝てるわけない…』






『───それがコテンパンに勝っちゃったんだなぁ!愛美が。




売り上げ、指名共にトップクラスだ!!




この勢いだと美月と僅差だぞ、愛美!



来月はどっちがナンバーワンになるか楽しみだなぁ!』





伊達店長にボンボンと肩を叩かれ、あたしは勢いで左右に揺れる。





『…てっ、店長!!!

痛い、痛いですって!』





『いや!私の目に狂いはなかったぞ!!



愛美、最近すっかり頭角現して絶好調じゃないか!



私は君ならここまで来ると信じていたぞ!』






『…は、はぁ…』





『この勢いでバンバン売り上げと指名数上げていってくれよ!!



期待してるからな!』








────……






お陰であたしの手帳はスケジュールみっちり。





このままだと、あたしのクリスマスは仕事で始まって仕事で終わる。


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