DEAR 2nd 〜Life〜
第39章 生命の分岐点

第39章 生命の分岐点





第39章 生命の分岐点









…────数日後。







────…ヒュウウ…






まだまだ冷たい風が容赦なく吹き付ける2月初め。






…────ピッ







【送信メール】






*/02/05 09:18

To:朝岡さん

無題

───────────




おはよう♪




今から頑張って行ってきます。



また終わったら連絡するね✨




-END-







───…ピッ






──送信完了しました──






「…」






「……彩?」





「…あ…ごめん、大丈夫…」







────カツン…






朝岡さんにメールを送り、あたしはマリアと一緒に寒い街中を歩いていた。





「…ほんとに大丈夫…?」





「───うん……



もう……

何があってもちゃんと受け止める覚悟出来たから…」





「……」






───…朝岡さんに事実を話してからこの数日間。





あたしはやっと一つの決意が固まり、マリアと共にその場所に向かっていた。







───…“産婦人科”。





“妊娠”、“性病”。






今まで避け続けた場所。




逃げ続けた事。




悩んでも、向かわなきゃ出ない答え。




いつまでも逃げられないからこそ───…







「───正直…言うとさ…



もしも…最悪な結果になったらって思うと…あたし……」





「……」






「───…ほんとは…




……怖い……」







怖くて仕方なかった。




“もし”が現実になったら。




あたしは今度こそ自分を保てなくなるんじゃないかなって……。






「…彩…」






「───…でも…




朝岡さんやマリアがいてくれるから…




みんながいてくれるんなら、あたし一人で悩まなくてすむかなって……」







───…みんながいるもんね。





一人で悩んだら、きっと許容範囲超えて爆発しちゃう。





そんなに強くない。





だけどみんながいるなら、少しだけ強くなれるよ。






「───うん…。



たとえどんな結果になってもさ…





───あたし、ずっと彩のそばにいるよ。」








「……っ、マリア…」






「───…行こ?」








────…ポン…






涙を拭い、頷くあたしの背中を軽く支え






─────…キィ…







マリアは重い産婦人科の扉を開けた。

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