DEAR 2nd 〜Life〜
第20章 紅

第20章 紅





第20章 紅







────…数週間後…。







………神様、仏様、女神様。






何が一番偉い神様かは知らないが、目の前にある一通の通知にただ祈りを捧げる。






「────……よし…。」





一つ深呼吸をしたなら、

覚悟を決めて手紙に手を伸ばす。





この先を、未来を決める手紙。






────…合格通知に。








早る鼓動を抑え、心臓が口から出そうなのを何とか押し込み





…………ピリピリッ……。






思いきって封を切り、

事実を包み折られている紙を広げれば







───────────





桜井 彩様








合格おめでとうございます







───────────








「─────……!」






へなへなと力をなくし、

ペタリと床に座り込む。






───ご……………っ






「………ごう……かくした……っ……」






合格……




合格─────!







「───…きゃー!!!!

やったやったやったわね!!合格よ合格!!!!



彩、よくやったわ!!

さすが我が娘!」





「……お、お母さん~…!」





口をパクパクさせながらお母さんを見るも、二人とも既に涙ぐんでいて言葉にならなかった。






「あぁ、どうしよう!!



今日はご馳走ね!

もうお母さん、俄然張り切っちゃうわ!!」





お母さんは上機嫌MAXで、鼻歌を歌いながらキッチンに消えた。






「……………」






もう一度頭に喜ばしい現実を刻もうと、何度も何度も合格通知に目を走らせ、






────…じわっ……。






“頑張った証”。





……そう思うとグッと感極まり、じわりと涙ぐんでしまった。
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