モデルなんてできません

同棲

私達は一緒に住む事になった
住むと決めてから2人でアパートやマンションを見て回った　
中々2人で予定が合わず、決めるまでに2ヶ月以上かかった

話し合って、私達は部屋を別々にすることにした
‘一緒に寝ようよ〜‘と言われたけど、‘別々の部屋の方が小説とかで完徹した時に迷惑かからないので‘と言って渋々納得してもらった
お互いにあまり収入がないので、２部屋あって割安な物件は中々なかった
私達は何軒も見て回っている内に築年数の古い一つの物件に目が止まった　　

‘これだ‘
私達はその物件を気に入って一緒に住む事になった

京介くんと一緒に住むことを私の実家にも伝えた
お母さんは‘いつのまにそんな人ができたのよ？‘と驚き、お父さんは‘男ができたのか？どんな男だ？‘と一応お父さんらしい事をぶつぶつ言っているらしい
私は‘変な人じゃないから。とりあえずそういう事だから‘と言って報告を簡単に済ませた
まさか9歳も年下で、立派な家の人だなんてさすがに言えず、私がほぼほぼ見捨てられた存在で良かったと心から思った
　
佐久屋家と違って、瀬戸家はごく平凡な家庭だ
お父さんはサラリーマンで、お母さんはパートの主婦
四つ離れた弟は家庭を持って子どももいる

‘あんたも早く結婚しなさいよ‘と言われ、女の幸せは家庭を持って夫を支えることと教えられてきた
だから家事は一通り教えてもらった
この夫婦共働きの時代に、専業主婦が夢だったのもそのせいだ
今は‘女だから‘という時代ではないのに、凄く時代錯誤な考えの家庭だと今なら思う
別に厳しい家庭ではないけれど、古い体質の家なのだ
そんな実家に9歳も年下男子と暮らすと言ったら、反対はされずとも、絶対に連れてこいと言われる

実家からは‘引っ越ししたら住所は教えなさいよ‘と言われ、私の実家への報告は終わった