Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

再会


勤めていた出版社を解雇された小夜は、チェーンのファミリーレストランのスタッフとして働き始めた。

今やロボットが注文の品を運ぶ時代だが、小夜が勤めるこのファミレスではまだその導入はなされていない。

初めて就く仕事だ。

けれど小夜はこのウエイトレスという仕事が好きだった。

何も考える必要はない。

ただ次々と注文されるハンバーグセットやチョコレートパフェを運ぶ。

あのネコ型の白い機械より、自分の方がよっぽどロボットのようだと思った。

テキパキと働く小夜は、すでに即戦力として店でも重宝されていた。

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