Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

過去


「ねえ。桂木さんはどこで生まれたの?」

小夜は桂木の裸の胸板に顔を寄せながら聞いた。

小夜と桂木は生まれたままの姿で、ベッドで寄り添っていた。

「急になんだよ。」

「だって・・・私、桂木さんのこと何も知らない。」

小夜が拗ねたように言うと、桂木が小夜の方を向き、髪を撫でた。

「36歳の辰年。B型の蠍座。好きな食い物は卵かけご飯。これで満足か?」

「・・・・・・。」

「俺だって小夜のこと良く知らねえが、今こうして肌を合わせているだけで十分だ。それだけじゃ駄目なのか?」

「駄目じゃないけど・・・」

小夜は眼を伏せ、語り始めた。
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