どん底貧乏美女は夢をあきらめない

どん底貧乏美女は御曹司の婚約者になりました

今日打ち合わせに行ったリゾートホテルというのが親父の言っていた見合いの相手の会社だった。

その後寄った榊グループの社長室で親父に文句を言ってきた。

向こうは着飾った娘まで打合せの場所に呼んでいた。

と言っても相手の女性は今回の改修のチームの責任者だったので何とも仕方がなかったが、まるでもう結婚が決まっているような馴れ馴れしさで初めて会った俺としては納得がいかなかった。

あくまで施主の立場なので、こちらは下手に出るしかないので、その場は穏便に話をしてきたのだが、親父にどこか他でデザインや設計も頼んでくれと言った。

だが、相手は大吾を指名して来たので断れないと言う。

それをどうして最初に言わなかったんだと頭にきたが、親父が頭を下げてきたのでそれ以上はわがままを言えなかった。

この先半年はかかるだろう打ち合わせにいつも、彼女但馬玲子が同席すると思うと気が重い。

何かというとすり寄ってきて腕や膝に手を置いたりしてくるのは我慢ならない。

一番苦手なタイプだ。

美玖に事情を話してこれからは美玖を同行させると決めた。

その夜、美玖の手料理をペアの茶碗に湯飲みにお箸を使っって、二人で食べた。今日も美味しかったと言うと、美玖はいつものようにちょっとはにかんで、お粗末様というのだ。

美玖の語彙力は少し年寄じみていて面白い、お粗末様とか罰が当たるとかくわばらくわばらとか言っている時もある。

見た目がクールビューテイなのに、出てくる言葉が気を抜くとババくさいのだ。

そんなギャップも大吾にとっては面白くて癒される。

どれだけ美玖にはまっているのか自分でも底が知れない。

とにかく何を言っても、何をしても美玖は可愛いのだ。
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