逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
Season 2

第31話

 大磯の別荘を訪問した翌日の月曜の朝、私は主寝室のベッドで目を覚ました。──ひとりで。

 海沿いの駐車場で久しぶりに泣きじゃくったせいか、昨夜は妙にすっきりとした疲労感に包まれて、帰りの車内で私は泥のように眠りこけてしまったのだ。

 家に着いた時のことは、おぼろげに覚えている。蓮さんは家の前に車を停め、玄関のドアを開けてから、私を抱き上げようとした。

 その振動で目を覚ました私は、「自分で歩ける……」と彼の手から逃れた。

 私は身長があって骨太だから見た目よりも重い。それがバレるのが嫌なので、抱き上げられるのは……ちょっと困るのだ。だけど、家の中に入ったところで記憶はまた途切れてしまった。

 そして朝になり、私は最近使っていなかった主寝室のベッドで、ひとりで目を覚ました。

 けたたましい電子音がするのでサイドテーブルに目をやると、スマホのアラームが午前7時を知らせていた。

 ベッドには清潔なシーツが敷かれており、ブランケットと羽布団も冬仕様のものが掛かっていた。あれから蓮さんがシーツを敷いてくれたのだと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 まさか、また──。
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