逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX

第50話

 翌朝、私は心地よい余韻に包まれながら目を覚ました。

 何か……とても幸せな夢を見ていた気がする。だけど、深く眠りすぎたせいか、その内容までは思い出せなかった。

 ただ、目が覚めた瞬間、ふと自分が微笑んでいることに気づいて、不思議と満ち足りた気持ちになった。

 ゆっくりと起き上がり、ベッドで伸びをする。

 顔を洗ってリビングへ行くと、蓮さんはすでに起きて、キッチンで料理をしていた。カウチベッドには人形(ひとがた)に盛り上がった布団があり、理央さんがまだ眠っているのがわかった。

「おはよう、蓮さん」

 蓮さんが振り返り、少しはにかみながら「おはよう。よく眠れた?」と聞いた。

 私もちょっと照れながら答える。「うん、ぐっすり眠れた」

「朝食に、理央が買ってきてくれたアップルフリッターを食べよう」

 そう言いながら、蓮さんは私のマグカップにコーヒーを注いでくれた。

「今、ベーグルを茹でてるんだ。これから焼くから、もう少し待ってて。理央もその頃には自動的に起きてくるはずだから」

「自動的に?」

「まあ、見てて」
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