逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
第8話
蓮さんの提案で、夕食は中南米料理のレストランで取ることにした。私の引っ越し祝いも兼ねてくれるそうだ。
「出雲さま、お待ちしておりました」
タクシーが店の前で止まると、店内からウェイターが出てきて挨拶をした。ここも、蓮さん行きつけの店のようだ。
中南米料理と聞いてエスニックレストランのような店を想像していたけれど、蓮さんが連れてきてくれたのは、カジュアル寄りの高級といった感じの店だった。
店内の雰囲気は軽やかで楽しげ、そしてホスピタリティにあふれている。
最初の割烹のときも思ったけれど、蓮さんは店選びのセンスが抜群だ。
ラテン系のヘッドウェイターが流暢な日本語で私たちに挨拶をして、窓際の席に案内してくれた。
「君の性格だと、コースよりもアラカルトがいいと思ったんだけど、当たってる?」
「当たり!」
「それじゃ、好きな料理を選んでくれ。冷たい前菜のところに書いてあるセビッチェは必ず頼んで。ここのは絶品だから」
「ありがとう」
週末ということもあって、店内はだいぶ混み合ってきていた。
最初のアペタイザーが運ばれてきたのとほぼ同じタイミングで、隣のテーブルに一組の男女が案内されてくる。
何気なく目を向けた私は──息が止まりそうになった。
今まさにメニューを広げようとしているのは、航と、『インスタント・グルーヴ』の編集者──航の恋人だ。
「出雲さま、お待ちしておりました」
タクシーが店の前で止まると、店内からウェイターが出てきて挨拶をした。ここも、蓮さん行きつけの店のようだ。
中南米料理と聞いてエスニックレストランのような店を想像していたけれど、蓮さんが連れてきてくれたのは、カジュアル寄りの高級といった感じの店だった。
店内の雰囲気は軽やかで楽しげ、そしてホスピタリティにあふれている。
最初の割烹のときも思ったけれど、蓮さんは店選びのセンスが抜群だ。
ラテン系のヘッドウェイターが流暢な日本語で私たちに挨拶をして、窓際の席に案内してくれた。
「君の性格だと、コースよりもアラカルトがいいと思ったんだけど、当たってる?」
「当たり!」
「それじゃ、好きな料理を選んでくれ。冷たい前菜のところに書いてあるセビッチェは必ず頼んで。ここのは絶品だから」
「ありがとう」
週末ということもあって、店内はだいぶ混み合ってきていた。
最初のアペタイザーが運ばれてきたのとほぼ同じタイミングで、隣のテーブルに一組の男女が案内されてくる。
何気なく目を向けた私は──息が止まりそうになった。
今まさにメニューを広げようとしているのは、航と、『インスタント・グルーヴ』の編集者──航の恋人だ。