逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
第59話
先週、コーヒーショップで祐介はこう言った。「彷徨うものすべてが道に迷っているわけではない」と。
だけど、今の私は──まさに迷いの真っ只中にいる、彷徨うものだった。
迷い度を1(全然迷ってない)から10(底なし沼)のスケールで表すとしたら、私は8か9あたり。ペンキが剥がれた古いボートで底なし沼を漕いでいるけれど、岸はどこにも見えない。そんな状態だった。
20時を過ぎて、蓮さんのテラスハウスの前に着いた。窓から漏れる温かいオレンジ色の光を見て、私は蓮さんの笑顔を思い浮かべた。
温かい部屋に入り、蓮さんに抱きしめてもらえたら……どんなに楽だろう。
蓮さんの優しさに包まれて、さっきのことを、すべて忘れてしまいたい。でも、それができないことも自分でわかっていた。
これまでは、友達や仲間に背中を押してもらいながら、それでも自分の足で踏ん張ってきた。
だけど、今ここで蓮さんに甘えてしまったら、これからも何かあるたびに、彼を頼りにしてしまうかもしれない。──それが何よりも怖かった。
だけど、今の私は──まさに迷いの真っ只中にいる、彷徨うものだった。
迷い度を1(全然迷ってない)から10(底なし沼)のスケールで表すとしたら、私は8か9あたり。ペンキが剥がれた古いボートで底なし沼を漕いでいるけれど、岸はどこにも見えない。そんな状態だった。
20時を過ぎて、蓮さんのテラスハウスの前に着いた。窓から漏れる温かいオレンジ色の光を見て、私は蓮さんの笑顔を思い浮かべた。
温かい部屋に入り、蓮さんに抱きしめてもらえたら……どんなに楽だろう。
蓮さんの優しさに包まれて、さっきのことを、すべて忘れてしまいたい。でも、それができないことも自分でわかっていた。
これまでは、友達や仲間に背中を押してもらいながら、それでも自分の足で踏ん張ってきた。
だけど、今ここで蓮さんに甘えてしまったら、これからも何かあるたびに、彼を頼りにしてしまうかもしれない。──それが何よりも怖かった。