逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
第19話
翌朝、私がいつもよりかなり早く出社すると、コモンルームには疲労感を含んだ空気が漂っていた。
締め切られた部屋の空気が淀み、徹夜組の存在を物語っている。
誰が残っていたのだろうと見渡すと、三人がけのソファに、人形のように丸まった毛布が見える。その端から、スタイリッシュに整えられたツーブロックショートヘアがのぞいていた。
航だ。
蓮さんの会社から依頼されたドラマのシナリオが佳境に入っているのだろうか。
締め切りまでまだ余裕があるはずなのに、この時点で徹夜をしているということは……あまり順調に進んではいないのかも。
あいにく、そんな航をいたわる優しさを、私は持ち合わせていない。こっそりとコモンルームを通り抜けてオフィスに向かおうとした。
ソファの横を通り過ぎるとき、毛布の端から手が伸び、私のジャケットの裾を掴んだ。
「……薫、無視かよ」
疲労の色が滲む、かすれた声が聞こえた。私は足を止め、振り返る。
締め切られた部屋の空気が淀み、徹夜組の存在を物語っている。
誰が残っていたのだろうと見渡すと、三人がけのソファに、人形のように丸まった毛布が見える。その端から、スタイリッシュに整えられたツーブロックショートヘアがのぞいていた。
航だ。
蓮さんの会社から依頼されたドラマのシナリオが佳境に入っているのだろうか。
締め切りまでまだ余裕があるはずなのに、この時点で徹夜をしているということは……あまり順調に進んではいないのかも。
あいにく、そんな航をいたわる優しさを、私は持ち合わせていない。こっそりとコモンルームを通り抜けてオフィスに向かおうとした。
ソファの横を通り過ぎるとき、毛布の端から手が伸び、私のジャケットの裾を掴んだ。
「……薫、無視かよ」
疲労の色が滲む、かすれた声が聞こえた。私は足を止め、振り返る。