本当の愛を知るまでは
デートの行く先は?
「ねえ見て、花純。滝沢くん、お姉様方にモテモテよ」
昼休みに千鶴と一緒に5階のカフェに行くと、レジにいる滝沢に、綺麗な女性社員が群がっていた。
「ほんとだ。イメチェンした滝沢くん、爽やかだもんね。前は年下の若い女の子にモテそうな感じで、今は年上の女性に好かれそう」
黒髪の短髪で印象が変わった滝沢は、女性たちに囲まれて困っている様子だった。
ふと視線を上げて花純たちを見つけると、パッと笑顔になる。
「森川さん、杉崎さん! ちはーっす」
女性たちが一斉にこちらを振り返り、花純はヒエッと首をすくめた。
「やれやれ、助け舟出してやるか」
そう言って千鶴はレジに向かう。
「こんにちはー。注文いいかしら?」
「はい、どうぞ」
「えっとねー、今日はラザニア。チーズはマシマシね。花純は?」
千鶴が振り返り、周りの女性たちは仕方なく道を空けた。
「すみません……。えっと、私はペンネグラタンにします。ドリンクはアイスラテで」
縮こまりながらオーダーすると、滝沢はそのままドリンクを作り始め、レジには別のスタッフが立つ。
途端に女性たちは引き返して行った。
「お待たせ。はい、ラザニアとペンネグラタン。さっきはサンキュー、お姉様たち」
テーブル席で待っていると、滝沢が料理を運んできた。
千鶴がニヤリと笑いかける。
「モテる男はつらいねー」
「そんなんじゃないっすよ。けど、仕事はやりづらい。勘弁してくんないかなー」
「彼女がいるんで、って言えば?」
「言ってみたんですけど、どこの誰? とかツッコまれて」
「ここのコイツ、とか言えば?」
そう言って千鶴はクイッと親指で花純を指す。
「あー、森川さん? イイっすね」
は?と、花純は声をうわずらせた。
「良くないよ、何言ってるの? カモフラージュなら千鶴ちゃんにしなよ」
「カモフラージュじゃなかったらいい?」
「ど、どういうこと?」
その時、スッと誰かがテーブルの横を通り過ぎざま、滝沢の腕を取った。
昼休みに千鶴と一緒に5階のカフェに行くと、レジにいる滝沢に、綺麗な女性社員が群がっていた。
「ほんとだ。イメチェンした滝沢くん、爽やかだもんね。前は年下の若い女の子にモテそうな感じで、今は年上の女性に好かれそう」
黒髪の短髪で印象が変わった滝沢は、女性たちに囲まれて困っている様子だった。
ふと視線を上げて花純たちを見つけると、パッと笑顔になる。
「森川さん、杉崎さん! ちはーっす」
女性たちが一斉にこちらを振り返り、花純はヒエッと首をすくめた。
「やれやれ、助け舟出してやるか」
そう言って千鶴はレジに向かう。
「こんにちはー。注文いいかしら?」
「はい、どうぞ」
「えっとねー、今日はラザニア。チーズはマシマシね。花純は?」
千鶴が振り返り、周りの女性たちは仕方なく道を空けた。
「すみません……。えっと、私はペンネグラタンにします。ドリンクはアイスラテで」
縮こまりながらオーダーすると、滝沢はそのままドリンクを作り始め、レジには別のスタッフが立つ。
途端に女性たちは引き返して行った。
「お待たせ。はい、ラザニアとペンネグラタン。さっきはサンキュー、お姉様たち」
テーブル席で待っていると、滝沢が料理を運んできた。
千鶴がニヤリと笑いかける。
「モテる男はつらいねー」
「そんなんじゃないっすよ。けど、仕事はやりづらい。勘弁してくんないかなー」
「彼女がいるんで、って言えば?」
「言ってみたんですけど、どこの誰? とかツッコまれて」
「ここのコイツ、とか言えば?」
そう言って千鶴はクイッと親指で花純を指す。
「あー、森川さん? イイっすね」
は?と、花純は声をうわずらせた。
「良くないよ、何言ってるの? カモフラージュなら千鶴ちゃんにしなよ」
「カモフラージュじゃなかったらいい?」
「ど、どういうこと?」
その時、スッと誰かがテーブルの横を通り過ぎざま、滝沢の腕を取った。