知らずに双子パパになっていた御曹司社長は、愛する妻子を溺愛したい

第六章 旭光

 一階で物音がしたので目を覚ますと、時刻は六時だった。お店があるときは、遅くても五時には起きていたので、ゆっくり寝すぎてしまったと反省する。

 ただ、昨日は色々なことがあって疲れていたのも事実だ。子どもたちを見ると、熟睡している様子だったので、まだ寝かせておこうと思う。きっと、子どもたちも疲れている。

 着替えてから一階に下りると、洗面所に明かりがついていた。高御堂さんがいつ帰ってきたのか気が付かないほど寝入ってしまっていた。
 冷蔵庫を開くと、作り置きのタッパの他にも食材が入っていたので、朝食の準備をする。

 フレンチトーストに、ミネストローネ。目玉焼きとウィンナーを焼き、作り置きのサラダをワンプレートに盛り付ける。イチゴがあったので食べやすいように切って小皿に盛った。
 ちょうどテーブルにセッティングし終わったところで、高御堂さんがリビングにやってきた。スーツをビシっと着こなし、髪のセットも完璧だ。

「おはようございます。朝食を作ったのですが、食べますか?」

「おはよう。俺の分もあるのか?」

「はい、三人分作るのも四人分作るのも同じようなものですから」

 実際には、大人一人分増えるのは手間が掛かるのだが、高御堂さんに恐縮してほしくないので、なんでもないことのように言った。
 朝食を食べる時間はないかもしれないし、朝食は食べない主義かもしれない。残れば、あとで食べればいいことなので、一応作っておいた。
< 133 / 161 >

この作品をシェア

pagetop