知らずに双子パパになっていた御曹司社長は、愛する妻子を溺愛したい

第七章 晴朗

 高御堂さんと家族になると決めてから一週間後の週末の日曜日。私たちは四人で動物園へ行くことになった。

「まま、はやく~」

「は~い、今行く!」

 子どもたちは、お揃いのアウトドアブランドの洋服を着て準備万端だ。この前、高御堂さんの会社から私宛てに、段ボール箱が届いたので中を開けたら、大量の子ども服が入っていた。どれも新品で高価そうだが、動きやすさや着心地が考えられたオシャレな服だった。

『大丈夫、経費で落としているわけではない』と高御堂さんは言っていたが、気になっているのはそこじゃない。食器や家電など、どんどん増えていくので使いすぎではなかろうかと不安になる。

 これまでは子どもたちの準備に忙しくて、自分に構う余裕がなかった。
今日は高御堂さんも一緒なので、子どもたちの準備を手伝ってくれた。高御堂さんは子どもたちと一緒になにを持っていくか考えながら用意をするので自主性が育まれそうだ。私は時間が惜しくて、全部やってあげてしまうので、高御堂さんの子どもの成長を促すやり方に感心する。

一方の私は、久々に髪を軽く巻いて一つに結んだので時間がかかってしまった。どうせキャップも被るのだから適当でいいと思いつつ、せっかく高御堂さんも一緒に出掛けるのだから、少しでも身綺麗にしたいと思ってしまったのだ。

 その結果、子どもたちから急かされる羽目になるのだが。
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