知らずに双子パパになっていた御曹司社長は、愛する妻子を溺愛したい
第四章 早暁
「琥珀、瑠璃、ほら、早く行こう?」
名前を呼ばれた二人は、一度だけちらりと私の方を振り向くも、すぐに紫陽花の上にとまるてんとう虫に視線が釘付けになる。
保育園まで徒歩六分の道のりが、やけに遠く感じる。二歳児のゆっくりした足取りに加え、毎回トラップのように彼らの興味を強く引くものに出会ってしまう。
「しってる? こはく、これてんとうむし」
「てんとむし、かっこいい」
瑠璃はお姉さんらしく、琥珀に虫の名前を教えてあげていた。
お姉さんとは言っても、帝王切開だったので、母体から取り上げられた時間は、ほんの数分しか変わらない。
双子は男女の二卵性で、瑠璃の見た目は私似で、琥珀の見た目は高御堂さんそっくりだ。瑠璃は女の子だからか、話すのも上手だし、背も琥珀より少しだけ大きい。
琥珀はまだたどたどしい話し方で、泣き虫の甘えん坊だ。
「早くしないと、お店の準備が間に合わないよ。ばあば、最近疲れているみたいだから、ママが頑張らないと」
私の言葉に、二人は顔を見合わせて立ち上がった。
そして二人は手を繋いで歌いだす。
名前を呼ばれた二人は、一度だけちらりと私の方を振り向くも、すぐに紫陽花の上にとまるてんとう虫に視線が釘付けになる。
保育園まで徒歩六分の道のりが、やけに遠く感じる。二歳児のゆっくりした足取りに加え、毎回トラップのように彼らの興味を強く引くものに出会ってしまう。
「しってる? こはく、これてんとうむし」
「てんとむし、かっこいい」
瑠璃はお姉さんらしく、琥珀に虫の名前を教えてあげていた。
お姉さんとは言っても、帝王切開だったので、母体から取り上げられた時間は、ほんの数分しか変わらない。
双子は男女の二卵性で、瑠璃の見た目は私似で、琥珀の見た目は高御堂さんそっくりだ。瑠璃は女の子だからか、話すのも上手だし、背も琥珀より少しだけ大きい。
琥珀はまだたどたどしい話し方で、泣き虫の甘えん坊だ。
「早くしないと、お店の準備が間に合わないよ。ばあば、最近疲れているみたいだから、ママが頑張らないと」
私の言葉に、二人は顔を見合わせて立ち上がった。
そして二人は手を繋いで歌いだす。