残念姫、王子に溺愛される
胸に残るモヤモヤ
「恋羽?
どうしたの?」

「あの…」

「ん?」

「歩稀さん。
“本当に私が恋人でいいんですか?”」

「恋羽が恋人でいいってゆうか……
恋羽が恋人“がいい”」

「……/////」

「それどころか―――――
……………ん…これから先は、ここで話すことじゃないね…
恋羽、そろそろ僕のマンションに行こう?」

「え?あ…はい」

二人はデパートを出て、歩稀の自宅マンションに向かった。


地下駐車場に車を停めて、エレベーターで上がる。

「―――――どうぞ?」
「お邪魔します!」

中はほとんど家具などがなくて、スッキリしていた。

「………」

「フフ…なーんにもないでしょ?(笑)
まだ、引っ越して一ヶ月も経ってないからね(笑)」

「正直、びっくりしました(笑)」

「だよね(笑)
あ、でも!食事はちゃんと用意してるからね!
とりあえず、ソファに座って?
先に君に、伝えたいことがある」

恋羽をソファに促し、烏龍茶を淹れて歩稀も恋羽の隣に座った。
「さっきコーヒー飲んだから、お茶ね!」
「ありがとうございます!」

烏龍茶を一口飲んで、歩稀がテーブルにグラスを置く。
そして、恋羽の頭を撫でた。

「……/////」
「フフ…恋羽を愛でるの、幸せ!」

「ありがとうございます//////
…………あの…それで、話って……」

「うん、どこから話そうかな?
―――――――恋羽は、来年大学四年だよね?」

「はい」

「将来は?
どうするか決めてるの?」

「えーと……
まだ、何も……
姫乃原一族の女性は大学卒業後、お見合いして嫁ぐ決まりがあるんです。
あ、でも!
私は歩稀さんとお付き合いしてるので、お見合いはないとは思いますが…」

「そっか!」

「だから、卒業したら私も働かなきゃとは思ってます。
来年は、就職活動しなきゃです!(笑)
両親にも、その話はしてます」


「その必要はないよ……!」

歩稀は頭を撫でていた手を、恋羽の頬に移動させた。


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