純恋〜ひとつの光〜
暗闇
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季節は夏になり街はどこか開放的な雰囲気をだしている。

海にプールに、花火大会や夏祭りなど様々なイベントごとで賑わう中、私たちはひっそりと静かに恋人としての時間を楽しんでいた。

今日はちょうどマンションの部屋から見える位置で花火大会があって、それを見ながらゆっくりと食事をする。

鼻歌まじりで料理をしていれば五十嵐さんから電話が来た。

なんだろ。
遅くなっちゃうのかな?

「もしもし、青葉です」

『あ、青葉さん。五十嵐です』

「どうかしましたか?」

『いや…あの、ちょっと今ですね…』

なんか後ろがザワザワとしていてうるさいな。

"グァー!"

すると断末魔の叫び声が電話越しに聞こえて来た。

ま、まさか…

『あ、すんません、ちょっと、坊なんですけど、手が離せなくてですね。予定より帰るの遅くなりますが、花火大会には間に合うように帰りますので』

"キエェーー!"

おいおい、大丈夫なんか?
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