純恋〜ひとつの光〜
光の先に
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香港での仕事を済ませ空港に降りたつ。
するとその時護衛が俺を取り巻く中、一人の男児が泣きながらぶつかってきた。
護衛も咄嗟な事で防げなかったようで、すぐに俺から引き離そうと動くのを見て俺は目で制した。
「おいガキ。男なら泣くんじゃねぇ」
いつもなら放っておくのに何故か俺はその子の目線になってしゃがみ込み涙を拭いてやる。
「カッコいい顔が台無しだぞ?」
そう言って笑って見せれば、泣きながら目を擦っていた手を離した。
俺はその子の顔を見てハッと息を飲む。
俺に似てる…
まさか!?
「おい、お前歳はいくつだ?」
なるべく驚かせないように笑顔を作る。
「もうすぐ四歳だよ」
四歳…
青葉と別れた時期と被る。
「母親はどこに?」
俺は緊張しながらも子どもに尋ねる。
「わかんない。ママ、なかなか戻って来なくて探してたら迷子になっちゃった…」
そういう事か…