超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

第21話　すれ違い始める２人

夕食が食べ終わり、４人はそれぞれの部屋に戻った。
アンセムはテラスのことで頭がいっぱいだった。
また噂が出てることなんて知らなかった。
本当に嫌がらせを受けているのだろうか。
もし本当なら、なぜ自分に言ってくれないのだろうか。
シンと一緒にいることが多いというのも本当だろうか。
自分がシンを好ましく思っていないことはテラスも知っているが、配慮してくれないのだろうか。

ルミとティナの手前、部屋に戻るポーズはとったが、アンセムは今すぐにでもテラスに会って話を聞きたかった。
しかし、時間はもうすぐ夜の９時だ。
朝型のテラスは、まだ起きてはいるだろうが、ゆっくり話をする時間ではないだろう。
その前に、テラスの部屋を訪れても入れてくれないかもしれない。
今の心境でそうされたら、かなりキツイ。

アンセムは迷った。
明日にすればいいじゃないか。
噂も嫌がらせもガセかもしれない。
明日普通に聞けば「何のこと？」ときょとんとされて終わるかもしれない。
昨日テラスに会っているが、特に変わった様子はなかったことだし。

しばらく思考がグルグルと頭の中を回る。
心がモヤモヤとして晴れない。
このモヤモヤを抱えたまま、一晩過ごすのは苦痛だった。
テラスは自分の彼女だ。
部屋へ行くのに、どうしてここまで考えて遠慮する必要があるだろうか。
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