超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

第2話 今日も図書館は賑やか?

ここは第三寮。
生涯を共にする伴侶を探すために、男女が共同で生活する場である。

テラスは19歳。
今年度始めに出会った1つ年上のアンセムと紆余曲折あり、2週間前から付き合うことになった。
アンセムは誰もが認める美男子で、性格は穏やかかつ紳士的。第三寮でもトップクラスの人気がある。
一方、テラスは自他共に認めるTHE!平凡女。少し大きな目がチャーミングポイントではあるが、可もなく不可もなく、その他大勢に紛れる目立たない外見をしている。
他人から見れば格差恋愛。以前周囲から嫉妬による嫌がらせがあったため、秘密の交際をしている。

テラスは図書館に来ていた。
司書であるカイに、アンセムと共に手伝いを頼まれたからである。
生物学を専攻するテラスは図書館のヘビーユーザーだ。
今日は本を棚に戻す作業があるので、動きやすいパーカーとジーンズ選んだ。
いつもは肩まである薄茶色の髪無造作に下ろしていが、一本にまとめている。

「おはようございます。カイさん」

カンウターにいるカイに挨拶するテラス。

「おはよう、テラス。今日はよろしくな」

「はい」

「アンセムはもう来てるぞ。奥にいる」

そう言ってカイはカウンターの扉を開ける。
同じく、アンセムも図書館の利用頻度が高く、カイのお気に入りの手伝い要員である。

「説明はアンセムにしたから、後は2人でやってくれ。わからないことがあれば、いつでも声をかけてくれればいいからな」

「はい。わかりました」

そしてテラスは、カウンターの奥にある部屋へ入って行った。
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