超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

第52話 天才は答えが出ない問題に苦悩する

「最近アンセムといい感じじゃない」

「最初から仲良くしてるよ」

「そうじゃなくって、恋人同士って感じがしっくりくるようになったって意味よ」

「そうかな~」

アイリとテラスは食堂で昼食を食べていた。
今日のテラスは白のニットパーカーに、黒のショートパンツだ。
毎日ゴテゴテした服を着ると肩がこってしまうので、アイリにシンプルデーを作ってもらったのである。
なお、服のコーディネートそのものを一度断ったことがあるが、却下されてしまった。

「すごく自然になったわよ。気持ち的にも変化があったんじゃないの?」

「気持ちの変化かぁ…」

昨夜とくに意味もなく、ベッドでゴロゴロとじゃれ合った場面がテラスの頭に浮かんだ。

「何赤くなってんの?」

「えっ!?」

「さては、何か進展あったんでしょ~!」

身を乗り出すアイリ。

「そんなことないよ」

ブンブンと手を振ってテラスは否定した。

「ただ…」

「ただ?」

「………た」

「え?聞こえない」

「ちょっと…………した」

「だから、聞こえないわよ」

更に身を乗り出すアイリ。

「だからー」

テラスは昨夜の出来事をアイリに耳打ちした。

「へっぇ~~~!進歩ね~!」

目をキラキラさせるアイリ。
恋話は楽しい。
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