それは麻薬のような愛だった
伊澄の後悔 -side 伊澄-
⿻*⌖.:˚◌˳
「ばいばい、いっちゃん」
そう言って去っていく雫の背中は、今でも伊澄の瞼の裏に焼き付いて離れない。
子供の頃からがむしゃらに何かに取り組んだ事は無かった。何においても必死にならずとも人並み以上に何でも出来る人間だった。
勉強もスポーツも、人望も。
とりわけ彼女なんてものは何もせずとも女は寄ってきたし、そもそも頑張って作るものでも無い。
自分の容姿が優れているのも早い段階で気付いていた。
初めて彼女を作ったのは中学一年の時。初体験も同じ頃だったはずだが、正直よく覚えていない。
当時から淡白で、告白されて適当に付き合ってはすぐに別れ、また別の女と付き合うなんてどうしようもない事を繰り返していた。
転機はと問われれば、間違いなく中学三年の夏。幼馴染の女に手を出してからだ。
きっかけはほんの好奇心。
丁度彼女と別れたばかりで色々と持て余していた所に、子供の頃から自分を追い回していた幼馴染が久しぶりに近くで見ると上手い具合に成長していたから。
雫が伊澄の事を好いていたのは伊澄には分かりきっていた上、自身の言動の一挙手一投足に表情をコロコロと変える姿に悪い気はしていなかった。
少し声をかければあっさりと簡単に家に転がり込んできたカモネギに当時の伊澄が手を出さない訳がなく、無理な理由を引っ付けては抵抗もしないのを良い事に最後まで事に持ち込んだ。
そしてまた不運な事に、雫との行為にそれまでで一番の快感を得られた事が、より伊澄の愚行を助長させた。
「ばいばい、いっちゃん」
そう言って去っていく雫の背中は、今でも伊澄の瞼の裏に焼き付いて離れない。
子供の頃からがむしゃらに何かに取り組んだ事は無かった。何においても必死にならずとも人並み以上に何でも出来る人間だった。
勉強もスポーツも、人望も。
とりわけ彼女なんてものは何もせずとも女は寄ってきたし、そもそも頑張って作るものでも無い。
自分の容姿が優れているのも早い段階で気付いていた。
初めて彼女を作ったのは中学一年の時。初体験も同じ頃だったはずだが、正直よく覚えていない。
当時から淡白で、告白されて適当に付き合ってはすぐに別れ、また別の女と付き合うなんてどうしようもない事を繰り返していた。
転機はと問われれば、間違いなく中学三年の夏。幼馴染の女に手を出してからだ。
きっかけはほんの好奇心。
丁度彼女と別れたばかりで色々と持て余していた所に、子供の頃から自分を追い回していた幼馴染が久しぶりに近くで見ると上手い具合に成長していたから。
雫が伊澄の事を好いていたのは伊澄には分かりきっていた上、自身の言動の一挙手一投足に表情をコロコロと変える姿に悪い気はしていなかった。
少し声をかければあっさりと簡単に家に転がり込んできたカモネギに当時の伊澄が手を出さない訳がなく、無理な理由を引っ付けては抵抗もしないのを良い事に最後まで事に持ち込んだ。
そしてまた不運な事に、雫との行為にそれまでで一番の快感を得られた事が、より伊澄の愚行を助長させた。