ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~

待ってるヤツ

 どうして私は今ここに……安積さんのお宅の前まで来ているのでしょう。

 (私たちはいつ恋人になれるの? そう思ってたよ? 思ってたけどぉ!)

 まさかいきなり彼氏の家訪問は聞いていない。

(しかも安積さん……プライベート未知の安積さん、大好きすぎる安積さん、その安積さんのお家とな……)

 私のメンタルは果たしてどこまで保てるだろうか。


 ――あの後。

「俺の家来る?」

「は、へ?」

 とんでもなく間抜けな声を発した私は顔もさぞ間抜けだったことだろう。想像できないし想像もしたくない。

「待ってたらさ……日付変わる」

「は、はい……え?」

「うち、近いんだ」

「は、はい……」

(だから? つまり? えっとぉ?!)
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