悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

嘘をでっちあげたあざと腹黒女が私に意見してきたけど華麗にスルーしていいですか?

何がどうしたら私がリリアに忠告をするような事態になるの?
彼女のことなんて、正直言わせていただくと眼中にないわ。
それどころじゃないくらい、私の日々は忙しかった。

「嘘だな。ブライは1ヵ月ほど前に図書館で、リリアと君が話しているところを確かに見たと言っているぞ」

随分と具体的ね。
ちょっと待って。1ヵ月前…図書館…?

「あ…」

その時の記憶がよみがえってきた。

「ほら、身に覚えがあるだろう」

勝ち誇るアル。

確かに、私は1度だけリリアと話をしている。
話というか、一方的に彼女が私に言葉を発しただけなんだけど。

勝ち誇った顔で私に「もっとアルノート様との時間を大切になさった方が良いと思います」なんて言われて、さすがにムカッときて無視してしまったから、会話として記憶されてなかったわ…。

「あれはリリア様が一方的に私に意見しただけです。私は何も言っていません」

「まぁどっちでもいいさ。とにかく、君とは婚約破棄する」

「待ってください。それで本当にいいんですか?」

まだリリアが口を挟もうとする。

ああ、本当に何なのこの子は!
なんだかどうでも良くなってきたわ…。
早くこの場を終わりにしたい。
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