地の果てに咲く花
プロローグ
花畑の中を幼い少女が走り抜ける。
「ねえ!お兄ちゃん!」
少女は最愛の兄の方を見て笑いかけた。
そんな妹を見て少年は笑う。
「転けても知らないからなー」
「痛てっ」
「ほら言ったそばから……」
少年は転んだ妹を起こすと呆れまじれに笑い、少女の無事を確認する。
「危ないからダメだって……」
「でもお兄ちゃんが守ってくれるでしょ?」
少女は穢れを知らぬ純粋な瞳で兄を見つめた。
少年は軽く目を伏せると優しく笑う。
「ああ」
それから暫くして、少年と少女は引き離された。
それでも少女は罪深いほどに笑っていた──。
地の果てに咲く花start
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