地の果てに咲く花
落合 聖杜ーotiai kiyotoー
「聖杜ー?聖杜ー?いないのー?」
「……チッ」
朝。
俺の1日は、胸糞悪い女の声から始まる。
「あっ、ここにいたのね!」
一人の女が、何の許可もなしに俺の部屋に入ってくる。
「今日、あたしも隆も帰ってこないから。秋真のことよろしくね」
そう言って女は鍵を渡してきた。
またかよ……。
でも俺にとってはそっちの方がずっといい。
この母親気取りしてる女は俺の母親ではない。
父親の不倫相手で6年前、母さんから父親を奪った女だ。
そして秋真というのは今の母親と父親の間に生まれた6歳の弟。
でも、俺の兄弟は、ただ一人だけ。
『お兄ちゃん』
最愛の妹は今、何をしてるのか。