地の果てに咲く花

〈聖杜said〉



悲劇は突然人を襲う。
妹と会って輝いていた世界も、黒く色づくんだ。


「なあ、聖杜!校門前に美女がいるんだけど!」

終礼が終わって帰ろうと支度していると、クラスメイトが興奮気味に言う。

ちらっと校門前を見ると、確かに顔が整ったウルフの子が居た。

何かどっかで見たことあるな……。

んーと唸っていると、早く帰ったはずの奴が教室に戻ってきた。

「落合ぃい!美女がお呼びなんだけど⁉︎」

そして指名されたのは俺。

何かしたっけな。

んーま、いいや。

「待て、聖杜。俺も行く」

そう言って荷物を持ったのは、紫悠。

こいつ……なんだかんだ言って、俺のこと大好きだよな……。

多分。
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