地の果てに咲く花

ケジメ 〈聖杜said〉



「……母さん」

目の前に座った母さんを見て、言葉が詰まる。

ちゃんと会うのは、7年ぶりだ。

「……聖杜。あのね……」

母さんは表情を崩して泣きそうな顔をした。

「お母さん、本当はお父さんと結婚したくなかった」

「……うん」

知ってたよ。

母さんが父さんを好きじゃないのは。

ずっと前から、知ってた。

「愛してた人も息子もいたのに、何で好きでもない人と結婚しなきゃいけないんだって……」

……うん。

母さんも、辛かったよね。

結局俺たちは自分のことしか考えてなかった。

何で愛してくれない?いらないなら産まなきゃよかったのにって。

だけど母さんだって、いや母さんの方がずっと辛かったのに。
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