地の果てに咲く花

帰ってきた少女 〈聖杜said〉



──それから四年後。


俺は高校二年生になった。

落合 聖杜ではなく、“楠見 聖杜”として。

そして今日は──ようやく桜駒が帰ってくる日だ。

長かった。桜駒がいない間、本当にたくさんのことがあったよ。

お父さんは血の繋がりのない俺を本当の息子のように可愛がってくれた。

母さんは今までの分を埋めるかのように、精一杯愛情を注いでくれた。

兄さんと雷稀兄とは本当の兄弟のように接せて。

秋真もよく懐いてる。

希空とは実の従姉弟のように遊んだりして。

そして高校受験して、新しい世界に入った。

すごいよな。俺の知らなかったことばっかり。

早く、桜駒にも見せてやりたい。

そうそう。紫悠は高校になって一人暮らしし始めた。

相変わらず能天気な奴。
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