地の果てに咲く花

楠見 希空ーkusumi noaー〈桜駒said〉


土曜日。

今日は従姉妹の希空と遊ぶ予定。

お洋服どうしようかなあ〜。

白のワンダーショルダートップスと黒のスカートでいっか。

鏡の前でくるっと一回転する。

その鏡には腰まである黒髪が映っていた。

「髪は……」

偶には、アレンジしたほうがいいのかなあ……。

『でもなんで?写真見たけど、小学生の頃は髪めっちゃアレンジしてたじゃん』

小学生の頃は……。

『ったく、桜駒はいつまでも甘えん坊だなあ』

『いいでしょー?お兄ちゃんに結んでほしいの!』

『……うん。いいよ』

お兄ちゃんが居たから……。

私は一人じゃほんとに何もできない。

髪はやっぱりアレンジする気になれなくて、軽くパーマをかけるだけにした。

カバンを持って家を出ようとした時、ママがぱたぱたと玄関まで走ってきた。
< 24 / 162 >

この作品をシェア

pagetop