地の果てに咲く花
楠見 希空ーkusumi noaー〈桜駒said〉
土曜日。
今日は従姉妹の希空と遊ぶ予定。
お洋服どうしようかなあ〜。
白のワンダーショルダートップスと黒のスカートでいっか。
鏡の前でくるっと一回転する。
その鏡には腰まである黒髪が映っていた。
「髪は……」
偶には、アレンジしたほうがいいのかなあ……。
『でもなんで?写真見たけど、小学生の頃は髪めっちゃアレンジしてたじゃん』
小学生の頃は……。
『ったく、桜駒はいつまでも甘えん坊だなあ』
『いいでしょー?お兄ちゃんに結んでほしいの!』
『……うん。いいよ』
お兄ちゃんが居たから……。
私は一人じゃほんとに何もできない。
髪はやっぱりアレンジする気になれなくて、軽くパーマをかけるだけにした。
カバンを持って家を出ようとした時、ママがぱたぱたと玄関まで走ってきた。