地の果てに咲く花
〈希空said〉
「希空も辛いのに……ごめんね……」
「いや。私は……」
そうだよ。
本当はものすごく辛い。
笑顔を取り繕うことはできるけど、本心で笑ったことなんてあんまり無いと思う。
あいつのせいで。
少し、昔の話をしようか。
私は希空。
お父さんはいない。
母親の浮気性のせいだ。
私が小さい頃からあの女はいろんな男と寝ていた。
妻がいる男でも、子がいる男でも、何処ぞの御曹司でも。
そのせいでいくつも揉めたし、お父さんとも離婚した。
なのにこの女は反省という言葉を知らない。
この女は基本娘である私に無関心だ。
私もその方が気が楽で好き。