地の果てに咲く花
双子 〈紫悠said〉
桜駒が振り切って改札を通ったあと。
俺はため息をつくと、陰に隠れていた人物に声をかける。
「……聖杜」
聖杜はスマホを見ていた顔を上げる。
「紫悠……」
厄介なことになったな……。
長いこと話してなかってせいで拗らせてしまった。
桜駒が、聖杜に対して何かしらの罪悪感を持っていることはわかった。
でも、何に対しての罪悪感?
二人は、被害者なのに。
桜駒が責任を感じることはないはず。
「……紫悠」
「……ん」
「桜駒、見ただろ……?」
「うん」
聖杜は顔を片手で覆うと何かの感情を吐き出すかのように言った。