地の果てに咲く花

〈紫悠said〉


「っ、ごめん、ごめんねえっお兄ちゃん……っ、」

「桜駒、」

二人が一緒にいるのを見たのは数年ぶりで。

抱き合いながら泣く姿は、正真正銘兄妹にしか見えなくて。

俺はよかったと安堵できた。

もうこれ以上離れていたら、聖杜が壊れてしまう。

もうこれ以上離れていたら、桜駒が壊れてしまう。

だから、早く会わせてやりたかった。

俺は二人の幼馴染で。

守るって誓ったから。

だから、例えこの世の万人を敵に回しても、お前たちを会わせるって。

双子の幼馴染だから、誰よりもあいつらのこと理解してるって、そう思っていた。




だけど、それは俺の自惚れだったね。

お前たちのこと、ちゃんと理解してたらあんなことは起こらなかったのに。

ちゃんとお前の、お前たち双子の懺悔を聞くべきだったんだ。
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