地の果てに咲く花

少年の罪


俺たちは生まれてはいけなかったけど、生まれてしまった。

俺たちが生きているというのは罪の証だ。





あるところに一人の少年がいました。

彼は幼い頃から聡く、全てのことに無関心でした。

ですから彼は双子の妹と違って、“望まれないで生まれた”ということを理解していました。

そして少年は妹に伝えました。

『罪の証』だということを。

それなのに、少女は笑い続けました。

何を言われても、罪深いほどに彼女は笑い続けたのです。

少年は、自分が人に無関心なのを自覚していました。

それ故に、妹の気持ちが理解できませんでした。

そして数年後、二人は離れることになりました。

そのとき少女は物心ついてから初めて泣きました。

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