極上の甘やかされ同居生活は溺愛のはじまり~大失恋したら女嫌いだったはずの凄腕心臓外科医がなぜかグイグイ迫ってくるのですが、これはいったい何事ですか?~
彼女を独占したくて
【彼女を独占したくて】

 翌朝目を覚ますと、冬哉くんの姿はすでになかった。
 昨日は天国と地獄をいっぺんに味わった気分だった。
 でも、冬哉くんが手を握ってくれたからか、その後、怖い夢を見ることはなかった。
 なんだか安心して、眠りにつけた気がする。
 ダイニングテーブルの上には、スクランブルエッグとサラダ、ロールパンやヨーグルトなどが並べてあり、「先に出る。気が向いたら食べて」と直筆のメッセージが添えられていた。
 日々、冬哉くんの優しさに甘えてばかり。
 もっとしっかりしなくちゃ。
 私がちゃんと自立したら、冬哉くんも安心するはず。
 アパートの修繕にはまだまだ時間がかかるから、やっぱり新しい物件も見ておこう。
 朝食を口にしながらそんなことを決意し、仕事に行く準備を始める。
 そうだ。
 今日は昨日のお礼の意味も込めて、いつもよりも豪華な夕食を作ろう。
 メインは、冬哉くんの大好物のオムライスかな。
 それから海老が好きだから、海老チリサラダとかもいいかも。
 喜んでくれるかな?
 その日の朝は、なぜか冬哉くんのことばかり考えていた気がする。

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