エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい

7

 その日の夜。夕食を食べながら私はガイアに抗議をしていた。

「ねえ、どうして朝あんなことしたの!?」
「あんなことって?」

 ガイアはニヤッとしながら聞き返してくる。もう、なんのことかわかってるくせに!

「後ろから抱きついてあんなこと言って……恥ずかしかったんだから」
「照れたのか?ニーナってば本当に可愛いな」
「揶揄わないでよ!」

 だめだ、何を言っても効き目がない気がする。私は大きくため息をついて食事を再開しようとすると、ガイアが口を開く。

「ちゃんと婚約したって騎士団内にも広めた方がいいだろ?それに、ああやって仕事仲間としてではない仲の良さを見せつけてた方が信憑性がある。ボロも出にくくなるし、ニーナもその方が安心だろうと思って」

 真面目な顔でガイアは言った。そっか、ガイアはちゃんと色々なことを考えてくれているんだ。しかも、私のことも思って……それに比べて、私はただ恥ずかしいばかりでキャンキャン騒いで、まるで子供みたい。

「……ごめんなさい、ガイアがそこまでちゃんと考えてくれてるって思いもしなかった」
「いいんだよ、突然あんなことされたら、誰だって驚くだろ」
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