エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
9
目の前で魔物と騎士が戦っている。私はお腹から血を流してただその光景を見ていることしかできない。息が苦しい、体が熱くて気が遠くなりそうだ。だが、ここで気を失うわけにはいかない。目の前で、自分の父親が戦っているのだ。
剣を握ろうとするけれど、手に力が入らない。どうして何もできないのだろうか。近くには、もう一人別の騎士、兄が血を流しながら倒れている。どうして、どうして私は何もできないの?どうして何も守れないの?
ザシュッ!
目の前で、騎士である父が魔物を斬った。魔物が大きな音を立ててその場に倒れる。
「よかった、お前だけは、守ることが、でき、た」
血を大量に流しながらよろよろと父が私の元に歩いてくる。その顔は、本当に嬉しそうに微笑んでいる。そして、目の前で、崩れ落ちた。
「!!」
ガバッと起き上がると、そこは戦場ではなくベッドの上だった。そっか、私、昔の夢を見てたんだ。呼吸が荒いし心臓もドクドクと速い。冷や汗もかいていて気持ち悪さしかない。
ふと、ベッドにもたれかかるようにして寝ているガイアに気がついた。ガイア、ずっとここで看病してくれてたんだ。
「ん……ニーナ?起きたのか、……って、大丈夫か?顔色が悪い、薬を飲んでも効き目がないのか?」
私が起きたのに気がついたのだろう、ガイアがゆっくりと頭を上げて目を擦り、私の顔を見てハッとする。どうやら、私は随分とひどい顔をしているみたい。ガイアは不安そうに私を見て心配している。
「ごめん、違うの。具合はもう大丈夫。嫌な夢を見ちゃって、そのせいだと思う」
私が苦笑すると、ガイアは目を細めて私の肩を優しくさすった。
「嫌な夢って、もしかして昔の?」
「……うん」
剣を握ろうとするけれど、手に力が入らない。どうして何もできないのだろうか。近くには、もう一人別の騎士、兄が血を流しながら倒れている。どうして、どうして私は何もできないの?どうして何も守れないの?
ザシュッ!
目の前で、騎士である父が魔物を斬った。魔物が大きな音を立ててその場に倒れる。
「よかった、お前だけは、守ることが、でき、た」
血を大量に流しながらよろよろと父が私の元に歩いてくる。その顔は、本当に嬉しそうに微笑んでいる。そして、目の前で、崩れ落ちた。
「!!」
ガバッと起き上がると、そこは戦場ではなくベッドの上だった。そっか、私、昔の夢を見てたんだ。呼吸が荒いし心臓もドクドクと速い。冷や汗もかいていて気持ち悪さしかない。
ふと、ベッドにもたれかかるようにして寝ているガイアに気がついた。ガイア、ずっとここで看病してくれてたんだ。
「ん……ニーナ?起きたのか、……って、大丈夫か?顔色が悪い、薬を飲んでも効き目がないのか?」
私が起きたのに気がついたのだろう、ガイアがゆっくりと頭を上げて目を擦り、私の顔を見てハッとする。どうやら、私は随分とひどい顔をしているみたい。ガイアは不安そうに私を見て心配している。
「ごめん、違うの。具合はもう大丈夫。嫌な夢を見ちゃって、そのせいだと思う」
私が苦笑すると、ガイアは目を細めて私の肩を優しくさすった。
「嫌な夢って、もしかして昔の?」
「……うん」