エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
10
「こんにちは、ニーナさん」
「……こんにちは」
腕の怪我が治ってから一週間が経った。この日、私は健康診断用の書類をガイアに渡そうと医務室に行こうとして、廊下でレイムさんとばったり会ってしまった。
「ガイアなら今は外出してます。何かご用ですか?」
「えっと、健康診断用の書類を記載したので、持ってきたんですけど」
「ああ、それなら私からお渡ししておきます」
レイムさんはそう言ってにっこりと微笑むと、書類を受け取った。
「それじゃ、よろしくお願いします」
「あ、ニーナさん」
なんだかここにいたくない、早くこの場から立ち去りたい。そう思ってレイムさんに挨拶してそそくさと退散しようとしたけれど、レイムさんがそんな私を呼び止めた。えっ、何……?
「少しお話よろしいですか?ガイアのことについて」
ええ、嫌ですけど……。でも嫌ですとも言えないから、仕方なく私はレイムさんのあとをついていった。レイムさんが常駐しているらしい事務室に入ると、誰もいない。そして、着席するよう促される。うう、座りたくない、早くこの場から立ち去りたい!
「あの、お話というのは?」
「ニーナさん、ガイアの婚約者なんですよね?」
真向かえに座るレイムさんの顔は、いつもの美しい笑顔ではなく真顔だった。うわ、なんか怖い……!
「どうしてニーナさんが婚約者なんでしょう?」
「……と、言いますと?」
「ニーナさんはガイアと元々親しいですけど、それはあくまでも騎士と医務官としてですよね?それなのに、突然婚約したと報告されて、驚いたんです。ガイアは婚約者なんて作らない人だと思っていたから」
ああ、まぁ、そうですよね。私だって驚きましたよ。でもそんなこと言えるわけがない。私が戸惑いながらどう言おうかと悩んでいると、レイムさんがさらに言葉を続ける。
「……こんにちは」
腕の怪我が治ってから一週間が経った。この日、私は健康診断用の書類をガイアに渡そうと医務室に行こうとして、廊下でレイムさんとばったり会ってしまった。
「ガイアなら今は外出してます。何かご用ですか?」
「えっと、健康診断用の書類を記載したので、持ってきたんですけど」
「ああ、それなら私からお渡ししておきます」
レイムさんはそう言ってにっこりと微笑むと、書類を受け取った。
「それじゃ、よろしくお願いします」
「あ、ニーナさん」
なんだかここにいたくない、早くこの場から立ち去りたい。そう思ってレイムさんに挨拶してそそくさと退散しようとしたけれど、レイムさんがそんな私を呼び止めた。えっ、何……?
「少しお話よろしいですか?ガイアのことについて」
ええ、嫌ですけど……。でも嫌ですとも言えないから、仕方なく私はレイムさんのあとをついていった。レイムさんが常駐しているらしい事務室に入ると、誰もいない。そして、着席するよう促される。うう、座りたくない、早くこの場から立ち去りたい!
「あの、お話というのは?」
「ニーナさん、ガイアの婚約者なんですよね?」
真向かえに座るレイムさんの顔は、いつもの美しい笑顔ではなく真顔だった。うわ、なんか怖い……!
「どうしてニーナさんが婚約者なんでしょう?」
「……と、言いますと?」
「ニーナさんはガイアと元々親しいですけど、それはあくまでも騎士と医務官としてですよね?それなのに、突然婚約したと報告されて、驚いたんです。ガイアは婚約者なんて作らない人だと思っていたから」
ああ、まぁ、そうですよね。私だって驚きましたよ。でもそんなこと言えるわけがない。私が戸惑いながらどう言おうかと悩んでいると、レイムさんがさらに言葉を続ける。