アラ還の、恋は野を越え山越え谷越えて
アラ還58歳の私が通ってる病院で、まさかの出会いがありました。

夫が亡くなってもうすぐ一年。
喪中なのに色々なことがありすぎて、
娘の婚約に、二世帯住宅の立て替え、それにまさか私が恋するなんて。

娘のお荷物にならないようにと思って始めた契約の恋人。
まさかほんとに付き合うことになるなんて考えても見なかった。


最近では週末、我が家に娘の彼氏の克くんが、私が恋人契約相手だった匠さんのおうちにお泊まりに行くことになっている。

これも娘たちが結婚すれば週末だけではなくなるつもり。
私は我が家から出ていこうと思ってる。
この週末、匠さんに話そう、『これからは一緒に暮らして良いですか』と。
娘の紗依にも今日、今からご飯を食べながら話そうと思ってる。

紗依が横断歩道の向こうで手を振っている。
慌てて走らなくても良いのに、

『ドン…』

そこからの記憶が失くなった。
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