真夏の一夜は恋の始まり

すれ違い

初詣で大一と気まずくなってから、私はどう仲直りしようか考えていた
中々言うタイミングを逃し、良樹先生にちゃんとプロポーズの断りの返事も言えていない
こんな自分だから大一に疑われるのだと私は自分を責めるような気持ちになった

どうしようか悩んだ私は、誤解を解きたいと大一の寮まで行くことにした
一度寮の場所を教えてもらった私
一応これから寮まで行ってもいい?と連絡を入れておいた
でもまだ見ていないのか、大一からの返信はない
抜き打ちみたいに訪ねるのは悪いけど、私は寮の部屋の前まで行ってみることにした
すると?
「大一駅まで送ってってよ?」
「はぁ?何で送ってかなきゃならないんだよ?」
大一が綺麗な若い女の子と部屋から出てくる
明らかに親しそうだ

私は咄嗟に柱の影に隠れた

大一とその綺麗な女の子は私が隠れている方向とは違う方向に歩いて行った
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