両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
1 私への罰
雨が降りそう……
どんよりと重たい空を見上げてから時計を見る。
終業時間まであと数分。
もう机の上を片付け始めている人もいた。
金曜日のこの時間は心なしか全員の顔が明るく見える。
「どうするー?」
「行くに決まってるでしょ。だって、取引先の営業で一番イケメン率高いんだよ?」
「四対四にしたいよね。あと一人はどうしよー」
私には関係のないこと―――そう思って机の上に散らばっていた書類を集めた。
雨が降る前に早く帰りたい。
そんなことを思いながら。
「あのー、雪元さんも一緒に飲み会に行きませんか?かっこいい人いるかもしれませんよ?」
後輩の桜田さんが近づいてきた。
お願いする時だけ少しだけ高くなる声。
彼女はそれに気づいているのだろうか。
どんよりと重たい空を見上げてから時計を見る。
終業時間まであと数分。
もう机の上を片付け始めている人もいた。
金曜日のこの時間は心なしか全員の顔が明るく見える。
「どうするー?」
「行くに決まってるでしょ。だって、取引先の営業で一番イケメン率高いんだよ?」
「四対四にしたいよね。あと一人はどうしよー」
私には関係のないこと―――そう思って机の上に散らばっていた書類を集めた。
雨が降る前に早く帰りたい。
そんなことを思いながら。
「あのー、雪元さんも一緒に飲み会に行きませんか?かっこいい人いるかもしれませんよ?」
後輩の桜田さんが近づいてきた。
お願いする時だけ少しだけ高くなる声。
彼女はそれに気づいているのだろうか。
< 1 / 227 >