恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
2.男友達 ≠ 恋心
五月初旬に入り、気温が日増しに高くなっていた。
勤続三年目を迎え、二十五歳になり、少しずつ仕事にも慣れてきたが、まだまだわからない事案は多い。
金曜日の今日、藤宮くんと食事の約束をしていた。
私の会社近くにあるイタリアンダイニングバーの個室でいつものようにお互いの仕事を労い、食事に舌鼓を打つ。
ちなみに今日、峰岡くんは都合がつかずに不参加だ。
「来週からアメリカに行く」
食事を終えデザートを注文したとき、薄い唇から唐突に放たれた台詞に耳を疑った。
「……え?」
艶やかな黒髪の下から覗く、やや垂れ目がちの幅広の綺麗な二重の目を伏せ、彼はゆったりと手元のグラスに触れる。
「アメリカ?」
聞き返す自分の声が、思った以上に掠れていた。
「ああ。宰と同じ、修業という名目の海外赴任」
視線を上げた、彼の美麗な容貌を正面から見据える。
スッと通った鼻筋に少し細面の小さな顔と艶やかな肌はいつも見惚れそうになる。
淡々と告げる彼の声に、今日食事に誘われた目的を知る。
社会人になりお互い忙しくなったが、藤宮くんとは時折食事をともにしていた。
ちなみに峰岡くんは大学卒業後すぐ海外支社に赴任し、先日帰国したばかりだ。
今後は後継者として様々な部署を経験していくそうだ。
学生時代からの友人とはいえ、卒業後も大企業の御曹司である彼らとこんな風に友人付き合いができるなんて、予想もしていなかった。
社会人になってからは特に、ふたりの前向きさと何事にも全力で取り組む姿に刺激をもらっている。
勤続三年目を迎え、二十五歳になり、少しずつ仕事にも慣れてきたが、まだまだわからない事案は多い。
金曜日の今日、藤宮くんと食事の約束をしていた。
私の会社近くにあるイタリアンダイニングバーの個室でいつものようにお互いの仕事を労い、食事に舌鼓を打つ。
ちなみに今日、峰岡くんは都合がつかずに不参加だ。
「来週からアメリカに行く」
食事を終えデザートを注文したとき、薄い唇から唐突に放たれた台詞に耳を疑った。
「……え?」
艶やかな黒髪の下から覗く、やや垂れ目がちの幅広の綺麗な二重の目を伏せ、彼はゆったりと手元のグラスに触れる。
「アメリカ?」
聞き返す自分の声が、思った以上に掠れていた。
「ああ。宰と同じ、修業という名目の海外赴任」
視線を上げた、彼の美麗な容貌を正面から見据える。
スッと通った鼻筋に少し細面の小さな顔と艶やかな肌はいつも見惚れそうになる。
淡々と告げる彼の声に、今日食事に誘われた目的を知る。
社会人になりお互い忙しくなったが、藤宮くんとは時折食事をともにしていた。
ちなみに峰岡くんは大学卒業後すぐ海外支社に赴任し、先日帰国したばかりだ。
今後は後継者として様々な部署を経験していくそうだ。
学生時代からの友人とはいえ、卒業後も大企業の御曹司である彼らとこんな風に友人付き合いができるなんて、予想もしていなかった。
社会人になってからは特に、ふたりの前向きさと何事にも全力で取り組む姿に刺激をもらっている。