恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
4.「ちゃんと待ってろよ」
衝撃的な再会の日以降、藤宮くんは頻繁に連絡をくれるようになった。
【食事に行こう】
【眞玖の好きな菓子をもらったから渡しに行く】
強引な婚約宣言にはまったくふれず、軽い誘いを繰り返す彼の真意がはかれない。
もしやあの場の雰囲気と再会の興奮で衝動的に行っただけなのだろうか。
状況を受けとめる覚悟がまだもてず、踏み込む勇気もない私は、ただ当たり障りのない返信ばかりを繰り返している。
学生時代から、彼が女性たちと過ごす姿を何度も目にしてきた。
誰にも本気にはならず、去る者は追わず来る者は拒まず主義だという噂も幾度となく耳にした。
もし私が婚約者になったら、彼の心変わりを間違いなく恐れるだろう。
きっと些細な噂や不確かな情報に翻弄されて嫉妬してしまう。
そんな醜い姿は見せたくない。
重い気持ちを押しつけて、最終的に疎まれ、嫌われるのが怖い。
不安ばかりを抱えた毎日を送りたくない。
「眞玖?」
自席に座る私の真横から声をかけられ、ハッとする。
「ごめん、蘭。なに?」
「例の件、六月半ばの予定だからよろしくね」
婚活、と口の動きだけで伝えてきた親友に小さくうなずく。
蘭は器用に片目を瞑り去っていく。
スマートフォンを取り出し、今聞いたばかりの予定を入力する。
今は五月下旬だから約半月後くらいかと独り言ちる。
【食事に行こう】
【眞玖の好きな菓子をもらったから渡しに行く】
強引な婚約宣言にはまったくふれず、軽い誘いを繰り返す彼の真意がはかれない。
もしやあの場の雰囲気と再会の興奮で衝動的に行っただけなのだろうか。
状況を受けとめる覚悟がまだもてず、踏み込む勇気もない私は、ただ当たり障りのない返信ばかりを繰り返している。
学生時代から、彼が女性たちと過ごす姿を何度も目にしてきた。
誰にも本気にはならず、去る者は追わず来る者は拒まず主義だという噂も幾度となく耳にした。
もし私が婚約者になったら、彼の心変わりを間違いなく恐れるだろう。
きっと些細な噂や不確かな情報に翻弄されて嫉妬してしまう。
そんな醜い姿は見せたくない。
重い気持ちを押しつけて、最終的に疎まれ、嫌われるのが怖い。
不安ばかりを抱えた毎日を送りたくない。
「眞玖?」
自席に座る私の真横から声をかけられ、ハッとする。
「ごめん、蘭。なに?」
「例の件、六月半ばの予定だからよろしくね」
婚活、と口の動きだけで伝えてきた親友に小さくうなずく。
蘭は器用に片目を瞑り去っていく。
スマートフォンを取り出し、今聞いたばかりの予定を入力する。
今は五月下旬だから約半月後くらいかと独り言ちる。